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そして後日、三日ぶりに妹と会えた。
俺は脇役だ、いつまでも一緒にはいてやれない。
とは言えないので、「せっかくの異世界だ。街で料理の勉強をしようと思う」と大胆な噓を吐いた。
「真里亜も近々遠征の予定があるんだろ?付き添いたいけど、俺みたいな一般人には危険すぎて、無理なんだって…」
だって俺の加護は塩と砂糖だぞ??と力無く笑う、心から。
どう考えても魔物討伐だの瘴気云々には使えないだろ、足手纏いになる。
「お兄ちゃん…。うん、わかった。でも帰ったらお兄ちゃんの特製唐揚げ食べたい、山盛り」
「あぁ、前に言った台所の妖精さんを紹介するよ。みんなで美味しい唐揚げの食べ比べパーティしような」
"絶対だよ??約束だよ??"
笑顔を見せられると心が痛い。
こうして妹が無事、この国の料理に手をつけるようになって一安心した。
俺もアイツが健康ならいいか… と思ってたら、
「ーーまぁ、邪魔者を消す頃合いだよなぁ」
やっぱりというか、お約束だ。
一人でお城の廊下を歩いてた所を誘拐され、気絶させられ、
気が付くと薄暗い森の中に置き去りにされていた。
「モブ捨て山…………?」
悲しさと怒りを殺しての発言だったのに、誰の反応も得られなかった。
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