紫の目の依頼

10/10
前へ
/14ページ
次へ
 ありがとうございました、とレイヴさんは立ち去ってしまった。札束らしい物体を手に取り、私と父は目を合わせる。 「これ……なんて書いてあるんだ?」 「もしかして、あちらのお金、とか?」 「お気持ち、お気持ちなのは変わらないからねぇ」  苦笑しながら父がお札を箱にしまう。私と父は、何度もレイヴさんは何者なのかについて話し合った。  本当の宇宙人? それとも、信じ込んでいるだけの人? 答えは分からないまま……いつしか、この神社には宇宙人が来た、という小さな噂話だけが残る羽目になったのだ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加