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そして輝く、可能性
とぅるるる……。
鳴り響いた電話に、香苗はすぐに出る。
「はい、もしもし。はい。はい。ええ、仙崎香苗は私ですが……えっ? ちょ、ちょっとお待ちください」
香苗は左右を見回してから、ぴょんぴょん飛び上がりながら父親に向かう。
「お父さん! レイヴさんから!」
「おおっ! どうしましたか? お子さんでも産まれましたか?……えっ、国中のありとあらゆるものの時間が延びた?!」
レイヴからの知らせは、本当に大変なものだった。
あの後。帰ると、どういうわけかレイヴの星に生きる者たちの年齢が延びていた。
もちろんレイヴもその1人だ。地球人との間に設けた愛する我が子の寿命に対しての演算も、無事に結果が出た。それなりに健康に気を付ければ、地球人らしい寿命で生きられるという演算結果だという。
何より。生きる時間を定められるがゆえに、延命長寿に対し大きな憧れを抱いていたスレィアニアの星では、今や大騒ぎだそうだ。
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