紫の目の依頼

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 香苗は今度は、拍子抜けしてしまった。延命などというから、もっと、もっと、長い年月を思い描いていたのだ。 それにレイヴは宇宙人だ。なんとなく、地球に住む人間に比べてとんでもない年月を生きるとばっかり思い込んでいた。 「……それじゃあ、地球にいたらいいんじゃないですか? なんだか聞いている限りだと、こちらの方が時間が、ええと、長いんですよね?」 「その通りです」 「だったら……」 「……ですが、それでは、私が成し遂げたいことは叶わないのです」 「成し遂げたいこと?」  レイヴがうなずく。 「私は、地球人とスレィアニア人の混血児が、どれほど長生きできるのか知りたいんです」  彼の瞳は真剣だ。  香苗は息が止まりそうなほど驚いた。混血児? スレィアニアの星の人と、地球人の?   彼と恋に落ちた女性……いや、地球人という言い方だから男性? ううん、とにかく。  宇宙人と恋に落ち、子供をつくろうと決意するような人が、この世界のどこかに居る。  想像してみても、どのような人なのかは、全く分からなかった。  でも。レイヴがこれほど必死になる理由は、なんとなく理解できた。彼はこれから産まれる生命のために、行動しているんだ。
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