第10話 学園編に突入です。 ①

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第10話 学園編に突入です。 ①

 アーレンバッハ学園  周辺国が協力して出来上がった中立国である学園国家です。  ジークフリート王子、キャスバル様、アルフォンス様は同じ年齢の為に一緒に入学します。  イライザお嬢様やクッキー………クッキーお嬢様は、来年度に入学する予定です。  今や、クッキー・ペパーミント=ウイスキー公爵令嬢です。  ええ、ええ、大変に不味そうな名前ですね。  原作者ルシアンのセンスは最悪だと判ります。  カルアミルクよりマシだ ! と考えているそこの貴方、お話しがあるので後で学生寮の裏に来てください。  高位貴族の学生寮は、当然ながら一人一部屋で部屋面積も広く取られています。  下位貴族でも子爵や男爵、騎士爵は二人一部屋です。  平民にいたっては、4~8人部屋と成っていますね。  早めに入寮した三人は、さっそく街へと出掛けて行きました。  二人に引っ張られて行くアルフォンス様は、助けて欲しそうな目をしていましたが、笑顔でお見送りをしました。  男の子同士の付き合いも大事ですよ、アルフォンス様。  原作小説では、親戚筋のニール=バーボン子爵令息とゾルザル=ジンジャーエール男爵子息と三人で行動するのですが、アルフォンス様の為を想えば、何方(どちら)を選ぶかは 当然の選択でしょう。  案の定、ニールがゾルザルを連れて来ましたが、既にジークフリート王子やキャスバル様と一緒に出掛けた事をお伝えしたら、(あきら)めて帰っていきました。  これで、また一つフラグを折ることが出来ましたね。  原作小説では 三バカ貴族呼ばわりされていましたが、これで回避することが出来るでしょう。  現在、私はお茶会と云う名の情報交換をジークフリート王子の付き人であるフローラ様とキャスバル様の付き人のアンネローゼ様に挟まれています。  二人共に貴族令嬢なので、非情に窮屈(きょうくつ)です。  行儀見習いで貴族令嬢が高位貴族のメイドに成る話は知っていましたが、自ら経験するとは想いませんでしたね。  ♟♞♝♜♛♚ 「最初にお礼を言わせてください。  貴女(シエスタ)のお陰で、キャスバル様の命が助かりました。  もし、貴女が居なかったらと思うと震えが止まりませんわ」  アンネローゼ様からのお礼が始まると続けて、フローラ様までが、 「私からもお礼いたしますわ。  キャスバル様に、もしもの事が有った場合、ジークフリート王子も大変に苦しんだと思います。  ああ見えて、殿下は繊細なんですのよ 」  どうやら進展が有ったようですね。 「ライムラテ公爵の方で動きが有ったのですか ? 」  私の質問に応えるようにアンネローゼ様が、 「ライムラテ公爵だけでなく、貴族派が動いているようです。  現在、ダイギンジョウ公爵家と王家で調査中ですが、残念ながら ライムラテ公爵だけしか証拠が押さえられませんでしたわ 」  とかげの尻尾切り に成りそうですね。  まあ、ライムラテなんて不味そうな家など、どうなっても良いのですが…… 「話が終わったようなので、私はこれで失礼させて貰いますね 」  私は、そうそうに立ち去ろうとしましたが、 「私達(わたくしたち)は、同じ派閥に成ったようですし、仲良くいたしましょう 」 「主であるジークフリート王子、キャスバル様、アルフォンス様が仲がよろしいので、私達も振興を深めましょう 」 「はい、よろしくお願いしますね 」  どうやら逃げられないようですね。  アルフォンス様が戻って来るまで、昼寝をしたかったのですが残念です。  誰です ?  シエスタだけにシエスタ(昼休憩)するのかと言っているのは ?  後で話があるので出頭するように !  ※ シエスタは、昼休憩を指す言葉であり、昼寝をしなくてもシエスタと呼ぶ。本来、siesta の言葉言葉は、ラテン語の hora sextaにおける sexta を由来とする。すなわち日の出を基準として「第6時」、つまり、おおよそ正午辺りの時間帯の意味である。ポルトガル語では、同語源の語で sestaと呼ばれる。   ウィキペディア参照
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