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第7話 一難去ってまた一難 ②
【シエスタside】
ジークフリート=スピリタス
私が居る国、アルコール帝国の第五王子です。
……ええ、ええ、突っ込み処が満載です。
底辺作者ルシアンは、本当にセンスが無いのが判りますね。
一応、第五王子ですが、王位を継ぐのは第一王子のヴェルフリート殿下が有力視と云うより原作小説では帝王に成ります。
第二王子のレオンハルトは武官のトップとして、第三王子、第四王子も内政管としてヴェルフリート殿下を支えるのですが……
そう、クッキーがお屋敷から追い出された時に力に成るのが、ジークフリート王子なのです。
これは、やはり原作補正なのでしょうか ?
キャスバルに代わりクッキーの恋の相手に成るのがジークフリート王子なのですが……
♟♞♝♜♛♚
玄関の扉が、いきなり開き二人の男の子……貴族様が入ってきました。
「アルフォンス=バーボン、前に王宮で挨拶したことがあるよな !
キャスバルの奴が、この屋敷に良く遊びに来ているのは知っているぞ !
面白そうだから、俺も交ぜろ ! 」
「殿下、いきなりは不味いですよ。
こういうことは、いろいろ手続きなどがあるのですから ! 」
何時もは、アルフォンス様を振り回すキャスバル様が、今日はジークフリート王子に振り回されている姿が滑稽ですね。
原作小説では、キャスバルが亡くなってから二年後に初めて登場するのですが、その時には年齢のわりには大人びていたジークフリート王子もキャスバルの死亡フラグをへし折ったせいか、年齢どうりのクソガキですね。
王室の教育係は何をしているのでしょうか。
アルフォンス様も反応に困っていますね。
経験が少ないからアドリブも出来ません。
「おい、アルフォンスは長いから、アルと呼ぶからな !
キャスバルが惚れているメイドというのは、アルの後ろに控えている貧相なスタイルのメイドか ?」
「ちっ 違います、 彼女は僕の専属メイドです。
殿下がお探しのメイドは妹の専属メイドなので呼びに行かせますから、用意する御部屋でお待ちください」
ずいぶんと失礼なガキですね。
原作では理想的な王子様とされていましたが、親友と云うべきキャスバルの死を乗り越えたからこそ成長出来たのでしょう。
♟♞♝♜♛♚
ジークフリート王子を御部屋に案内している間に、メイド仲間のパティにイライザお嬢様とクッキーを呼びに行くように頼みました。
イライザお嬢様をハブると後がウルサイですからね。
上手くジークフリート王子とイライザお嬢様がくっ付けば、必然的にキャスバルとクッキーも上手くいくハズです。
つまり、わたしの平穏が近づく訳ですからね。
イライザお嬢様は着替えて来るでしょうから、もう少し時間が掛かるはずです。
アルフォンス様は、助けて欲しそうな目で私を見つめるています。
ハァ、仕方無いですね。
奥様が隠している秘蔵のお菓子と紅茶でもジークフリート王子に提供しましょう。
子供には甘いお菓子を与えておけば、時間稼ぎくらいは出来るでしょうからね。
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