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「それにしても、2人とも、どうして神様がここにいるってわかったんだ?」
ちょっと話が途切れた時にそう聞くと、2人は顔を見合わせ、それから少女が口を開いた。
「私のところにこれが現れたのが、20日前で」
これとは何だ! と言う神様の抗議を全く取り合わず、少女は先を続けた。
「そのとき、ものすごい音と光とともに現れたのよね。だから、もしもまた現れるならば、同じようにどこかで大きな音と光があるんじゃないかって、それから毎日見張ってて。そしたら、それから10日後 ― つまり、今から10日前だけど —、家の西のほうで、同じような大きな音と光があって。そのときはすぐ出かけられる格好じゃなかったし、どの辺か特定できなかったんだけど、また10日後、つまり今日、また何かあるんじゃないかって、今度はすぐに駆け付けられるように準備して待機してたの」
「なるほど。君は?」
足長少年に話を振ると、僕はその逆で、と話しはじめた。
「神様が現れる10日前に、屋上で天体観測していたらすっごい光と音がして、で、その後、神様が同じような音と光とともに現れたから、もしやあのときも? って思ったんだ。だからやっぱり10日後が怪しいと思って。屋上で見張ってた」
「そうか、それでこの場所を特定して駆け付けた、と」
俺の言葉に、2人はうんうんと頷いた。
「絶対捕まえて、元に戻してもらわなきゃって思ってたからね。執念の勝利!」
ちょっと得意げに言う少女に、少年も同意し、次の瞬間。
「「早くどうにかして!」」
神様に向けた2人の声が、再び見事にユニゾンした。
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