薄暗い部屋

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薄暗い部屋

みゆきは薄ぼんやりと目を開けます。そこは眩しいとは程遠く薄暗い灰色の世界で、じわじわと自分んが今いる状況を認識するのでした。 横たわっている、そう自覚したみゆきは急に恐怖心が湧き上がります。 「わ・・たし・・・。」 声を出そうとしますが口元が重く喉が詰まっているような感覚があり声を発すること自体が難しいのです。 ここはどこなのか目を擦ろうと腕を顔まで持ってこようとすると、その違和感と恐怖心はより一層明確なものへと変化しました。両手どころか両足共に何かで拘束されているのです。頭がクラクラとする感覚を覚えながらもなんとかこの状況をまず把握したいと必死にみゆきは目を凝らしました。 ここは薄暗い見知らぬ部屋、周りを見渡しても家具らしい家具はなく真っ白のシーツのベッドに手錠のような器具で拘束されていると。足元は掛け布団がかけられてることから見えませんが足を動かすとと共に鎖のような音が聞こえた為、同じように足枷もされているのでしょう。恐怖のあまりみゆきは声にならない鳴き声と目が熱く涙が溢れ再び視界が霞み揺れ動くのでした。 そして再び最初の違和感が訪れます。頭皮に違和感があり髪の毛を誰かが引っ張るような感覚を覚えたのです。ひょっとして髪の毛までくくりつけられているのか、みゆきが首を剃り上げるようにして上を見上げるとそこには。 小さな小さなおじさんがいました。
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