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やがて寝所に着き、絹の布団が積み上げられた寝台へと降ろされる。
退室の略敬礼をすると、煕佑は顔を伏せたまま、部屋の戸のすぐ脇に垂れている飾り紐を引いた。
その先は、担当の宦官の部屋へと続いている。
そこで待ち受けている者が合図を受け、皇帝の元へと馳せ参じるのだ。
やがて、高位の宦官たちに付き添われて、この広大な権力の園の主がやって来る。
それを待たずに、煕佑は部屋を去っていった。
ほどなくやってきた老齢の皇帝が、すぐに布団へと入ってくる。
寄り添われ、太く短い指が肌を這うと、今度は寒さではない原因で、肌が粟立った。
煕佑の身体の熱はあんなに心地よかったというのに。
慶邁帝のそれは、ひたすら不快でしかなかった。
長年の飽食のせいでブヨブヨと肥え太った身体は、肉塊と呼ぶにふさわしい。
そればかりか、奇妙な冷たさまである。
優しい触れ合いも、心を解く言葉もないまますぐにのしかかられ、綉葩はただただ押し黙って吐き気をこらえ続けるしかなかった。
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