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その日仕事から帰宅しても出来るだけ鏡はみないようにしてそのまま眠った。
翌日鏡を見るとやはりいる。
キラリと光るこれは…。
しらが…。
しらが…。
白髪…。
どう見ても白髪が私の頭頂部にいる。
私は慌ててネットである店の予約。その日に向け先輩や同僚が話しかけにくくなる位仕事に明け暮れた。
【そして土曜日】
念願の美容室予約日。
「いらっしゃいま…」
「店長!白髪染めお願いします!」
店に入って早々白髪染めをリクエストした私に店長も苦笑いだ。 朝一で他にお客さんがいなくてよかった。
(スタッフさん大きな声ですみません)
店長に促され席に座ると店長に予約したメニューの確認をされた。
「吉川さんカットとカラーの予約ですよね」
私は頷くと頭頂部を指で指し示した。とにかくこの白髪をどうにかしたい。
店長は白髪を確認すると白髪染めではなくいつものカラーを勧めてきた。
店長の話だと白髪の数も少ないので白髪染めではなく分け目を変えれば白髪は見えなくなると…。
白髪1本で数日間振り回された私だったが…結局いつものカットとカラーをお願いして分け目を変えて悩みはなくなりウキウキで美容室を出ていった。
だが…この時彼女は知らない。
10年後…本当に白髪染めをする未来が待っていることに。
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