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華純「あなたに会いたかったから、調べたの。」
俺に…、会いたかった…???
なんでこんなお嬢様が、俺なんかに…!?!?
華純「さっき、私と初めましてだって言ったわよね?」
弘宣「はい…。」
こんなに美しくて目立つ人、もし会ったことがあったとしたら、絶対に覚えているはずだ。
華純「実は、初めましてじゃないのよ? 三日前の月曜日、私たちは会ってる。」
弘宣「えっ!?どこで!?」
彼女はニッコリ笑うと、なぜか嬉しそうに…、
華純「自販機の前で泣いてる子供を助けたでしょ?」
自販機の前…?
ああ! あの10円が足りなかった子たちか!!
弘宣「思い出しました! でも…、あなたは見かけなかったような…?」
華純「あなたは私を見かけなかったかもだけど、私はあなたを見かけたの。その時、近くにいたから。」
弘宣「そう…だったんですね。すみません、気づかなくて。」
華純「いいえ、気にしないわ。話をしたわけでもなかったしね。」
弘宣「いや…、でもアレは助けたと言うんですかね(苦笑)結果的に嘘をついたわけですし…。」
華純「何言ってんの?」
彼女は腕組みをすると…、
華純「きっと10円をあなたが財布から出してあげただけでは、子供達には罪悪感が生まれる。だから、あなたの行動は正しかった。…というより、素晴らしい。」
今まで、こんなに誰かに認めてもらったことは、あっただろうか…。
自信満々に言ってくれた彼女の言葉に、俺は大きく胸を打たれた。
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