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弘宣「そ、それに、あなたはとても…美しい。」
華純「うん、そうね。」
弘宣「それに比べて俺は、こんなに地味で冴えなくて…。例えるなら、俺とあなたは月とスッポン…、いや、豚に真珠? とにかくそのくらい俺はあなたに相応しくないってことですよ。」
すると、彼女はキョトンとした顔をした。
そして、何がおかしいのか、あははと笑い出し…、
華純「そんなことを心配してるの?(笑)」
優しい…、でも強い意志のあるまっすぐな目で、俺を見つめると…、
華純「大丈夫。あなたは美しく高貴な私に見合う男。間違いない。」
冗談を言っている顔じゃない。
彼女は、本当にそうだと思ってくれているんだ。
弘宣「そ、そんなこと言って、揶揄わないでください…!」
心臓がドキドキして、全身から冷や汗が出ている…(汗)
華純「揶揄ってなんかいないわ。全て本気よ。私、嘘は嫌いだから。」
分かってる。
でも、彼女がそう思ってくれたとしても、世間的には…。
弘宣「いや、でもやっぱり…。」
華純「わかったわよ! 今日のところは帰る。でもまた明日、必ず会いにくるわ。あなたがプロポーズをOKしてくれるまで、何度でも♡」
そう言って、彼女はお金置いて帰って行った。
弘宣「はぁ…、どうしたものか…。」
彼女がどうとか、そういう問題ではない。
俺にはもう、新しく恋愛をする気はないんだ。
なぜなら、俺にはずっと忘れられない人がいるから…。
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