3.失恋に1番効く薬、教えてあげようか?

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弘宣「な…、なんでここに?」 華純「それはこっちのセリフよ。探したんだからね!」 俺に傘を向けているから、彼女はみるみるびしょ濡れに…。 弘宣「…濡れてしまいます。」 俺は立ち上がり、傘を彼女の方へ傾けた。 華純「良いのよこれくらい。あなたの方がびしょ濡れじゃない。」 彼女は再び、俺に向かって傘を傾けた。 弘宣「でも、そういうわけには…。」 華純「分かったわよ! それならこうしましょ?」 彼女が俺に近づいた。 華純「これで2人一緒に入れるでしょ?」 弘宣「そう…ですね。」 俺たちはそのままベンチに腰掛けた。 冷たい雨の中、触れている肩だけが暖かい。 華純「…で?」 弘宣「…で?…とは…?」 華純「だから!話しなさいよ!何があったのか!!」 弘宣「あっ、でも…。」 俺の話なんか聞いたってきっとつまらない。 それに呆れられるだろう。 お金を盗って逃げた相手にまだ未練があるだなんて…。 華純「 …話したらね、結構楽になるものよ? 大丈夫、否定なんてしない。私が全部受け止めるから。」 彼女の優しい笑顔に、俺の胸の重たい蓋が外れた。
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