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お父様が、大層な額に入れられた男の写真を、私に渡してきた。
華純「…お見合い?」
父「そうだ。相手はお前のことをとても気に入っているそうだぞ。」
写真の男は、自分より最低でも10は歳上に見えた。
しかも、太っていて髪が薄い。
この人と私が、お見合い…?
そして、ゆくゆくは結婚…!?
父「お前がこの人と結婚すれば、うちの会社はさらに大きくなれる。お前も良い暮らしができるぞ。」
私の名前は西条華純(さいじょうかすみ)。
誰もが知ってる西条ホールディングスの社長令嬢。
そして今、会社の繁栄のために、お見合い結婚を持ちかけられている。
華純「嫌よ、絶対に。」
父「お前に選択肢はない。ここまで誰が育ててやったと思ってるんだ!」
華純「育ててやった?お金はかけてもらったかもだけど、育ててもらった覚えはございませんけれど。運転手の松田さんの方がよっぽど私を育ててくれたわ。」
父「親に向かって、なんだその口の聞き方は!!」
華純「はいはい。親不孝娘はさっさと出ていきますね〜。」
そう言って私は部屋を出た。
「待ちなさい!」と怒鳴るお父様の声が聞こえたけれど、ガン無視して。
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