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家の前で待機していた松田さんの待つ、いつもの送迎車に乗り込んだ。
華純「松田さん、出して。」
松田「かしこまりました。どこへ行きましょう?」
華純「どこでも良いわ。とりあえずドライブしてくれる?」
松田「はい、分かりました。」
車が出発し、豪邸が遠ざかって行くーー。
お父様は最近、結婚結婚うるさい。
自分の会社である西条ホールディングスをもっと大きくしようと計画しているからだ。
どこぞやの大手会社の息子と結婚させて、資金援助してもらおうって魂胆。
お金のことしか頭にない。
娘よりも、金…。
華純「…最悪ッ!」
松田「ど、どうかされましたか!?」
華純「あ、ごめんね。松田さんに言ったんじゃないのよ?ほら、うちのダメ親父のこと。」
松田「左様ですか…。」
華純「ねぇ、松田さん。この際、運転手を辞めて、私の本当の父親にならない?養子縁組、しちゃう??」
松田「えっ!? そ、それは…。」
華純「そうよね。松田さんがお父様に怒られちゃう。」
松田さんは申し訳なさそうに頭を下げた。
はぁ…。親ガチャ、ハズレだわ…。
イライラしながら窓の外を眺めていると…、
子供が道端の自販機の前で泣いているのが見えた。
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