1.み〜つけた!私の王子様❤︎

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華純「ちょっと停めて!」 私の突然の要求に、車は急ブレーキ気味に停まった。 …子供は2人。 男の子と女の子。たぶん兄妹だろう。 なにやら女の子が大泣きしているのを、男の子が必死に宥めている。 私は車から降りて、子供達に少し近づいた。 男の子「だから、10円足りないんだって!」 女の子「でもジュースが飲みたいの!!」 男の子「だから、お金が足りないから買えないの!」 女の子「でも飲みたいんだもん!!」 ああ、そういうこと。 10円足りないのね。 しょうがない、10円くらい私が…、 いや、なんならジュースくらい2人に奢ってあげるか。 私は財布をとりに車に戻った。 華純「松田さん、お財布貸して。」 松田「へっ…?」 華純「小銭が必要なの。」 松田「…あ、はい、わかりました。」 財布を受け取って振り返ると…、1人の男が子供に近づいていくのが見えた。 よれた服を着て、髪もボサボサ…。 華純「えっ…、不審者!?」 少し警戒しながら彼らに近づいていると…、 その男は自分の財布から10円を取り出した。 男「これ、落ちてたよ。」 そう言って、自分の10円を子供に手渡した。
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