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再依頼
夕方、私たちのチームを、セシル先生が例の講堂に呼んだ。何やら緊急の話らしい。
「みんな居ますね?」
「「はい!」」
「うん!呼んだのは……昨日の依頼についてです」
まぁ、多分そうだろうな……と思いながら、この講堂に来ている。
セシル先生は、少し考えてまた口を開いた。
「昨日の依頼の、再依頼が決まりました……報酬は昨日の依頼の倍出すそうです」
「相手はS級ですよ?我々だけで大丈夫なんですか?」
カールが、即座に立ち上がり異論を唱えた。まぁ普通はそうなるよね。
「そこは安心して下さい…昨日の依頼だと、グラングリズリーでしたが、ジャバウォックだった…しかし、二体のうち一体はジーナさんが何とかしてくれました…」
ここで一度、セシル先生は口を閉じた。
「残り一体なら私も居ますし、皆さんの力を合わせれば何とかなるはずです」
「……」
私を含め、四人は沈黙する。まぁ、あの力を使えば勝てない相手ではないが……。
「無理だと判断した場合は、即座に引け……と依頼内容に書いてあるので、無理せず行きましょう」
「「わかりました」」
「出発ですが……明日、昨日と同じ時間に出る予定です」
「はい」
「「はい!」」
私の返事に続き、残りの3人が返事した。
「うん!じゃあ、話は以上!解散!」
先生の合図で、この場は解散となった。
翌日…
私達は、日が登って一時間程経ってアカデミーから出発した。
この前と同じで、私とセシル先生が空駆けをして先に現地へ……残りの三人は、馬車で近くまで行き合流。
先に着いた私とセシル先生は、辺りをくまなく捜索…ジャバウォックの魔力の痕跡をさぐる。
「!」
ふと、姉さんたちの魔力が近くに来ている事を確認できた時、ジャバウォックとは違う魔力を感知した。
「ジーナさん?どうかしました?」
「ジャバウォックとは違う魔力を感知しました……」
「ちがう?」
「はい…魔力は魔力ですけど、残留魔力です」
「どんな?」
「んと……多分、転送魔法陣かと……」
「転送!?」
「はい…」
「まさか…あのジャバウォック達は……」
「転送されて来たのかも…」
私の言葉に、セシル先生の顔が青ざめる。
そして、姉さんたちの姿を確認し、合流した所で、ジャバウォックの魔力も感知した。
「くる!前!」
全員が前方をむくと、ジャバウォックが一体こちらに向かって突進してきた。
「避けて!」
私の合図で全員が散開する。
「魔波龍神脚!」
突っ込んできたジャバウォックに、躱しながらの蹴りをお見舞いする。
「グルッ!?」
一瞬、動きを止めた奴を見逃す姉さんでは無かった。
❮氷の槍~アイス・ランス~❯
姉さんの魔法に続き、ラミアちゃんの魔法も飛ぶ。
❮雷の雨!❯
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