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転送魔法陣の痕跡を利用し、まずはこちら側に魔法陣を作る。
「先生!よろしくお願いします!」
「わかったわ!」
こちらに作り終えたら、空駆けしてギルドの近くの人気のない所で、同じ魔法陣をえがく。
「よし!」
描き終わったら、自分の魔力を流し込み、森側の私の魔力を込めて作った魔法陣を意識して……つなげる!
「できた!!」
試しに、魔法陣の中へ……すると、一瞬で森にたどり着く。我ながら完璧だ。
「早っ!」
姉さんの驚きの声が、すぐに聞こえた。
「先生!大丈夫そうです!」
「わかったわ!先に私が入ります……その後、カールとマリアでガロンを……」
「「はい!」」
先生の言った通りに入って行き、最後ラミアちゃんが中に入った。
私は、作った魔法陣を消すために残り、消してから空駆けしてギルド近くの魔法陣を消した。
「ふぅ……疲れた……」
腰掛けれそうな場所に座り込み、ため息を付きながら呟いた。
「ジーナさん!ここに居たんですか!?」
座り込んでいると、セシル先生が声を掛けてきた。
「先生……」
「流石に疲れた顔してるわね?」
「はい…」
そりゃそうだ……ジャバウォックの魔力暴走を止め、ゼロンとガロンの相手をし、さらに魔法陣を作って空駆けし、魔法陣消してまた空駆けからの魔法陣を消す……疲れないわけない。
「息が整ったらでいいので、私と来てくれませんか?」
「どこへ?」
「ギルドです」
「はぇ?」
変な声が出た。
「昨日の貴女の提案の答えが出ました」
「もう!?」
「はい!」
「じゃあすぐ行きます!!」
私は、セシル先生の後ろをついて行く。
ギルドの中に入り、正面の受付をすっ飛ばし、奥の部屋の前に立つ。
「コンコン!」
セシル先生が扉をノックする。
「はい!どうぞ!」
「セシル入ります」
「えぇ」
先生が扉を開け先に入り、私が後ろから続いて入ると、正面にある立派な机に向かい、おカッパ頭の女性(長い髪を後ろで束ねている)が何かを書いていた。
「メルシーさん、連れてきました」
「ありがとう……貴女がジーナ?」
「は、はい!ウィルハート伯爵家の次女、ジーナ・ウィルハートです」
苦手なお辞儀をしながら、メルシーと呼ばれた女性に頭を下げる。
「ふふ…私は、ロックハート公爵家、メルシー・ロックハート。ここのギルドマスターをやってます……よろしくね」
え?待って?今公爵って言った??ギルドマスターが女性で、なおかつ公爵家って……。
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