襲撃

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襲撃

ガロンの所へ時間がある時に寄り、何度か会話を交わしたが、ゼロンが逃げた理由だけ謎のままだった。 特別課外授業の合間に、Bランクの依頼をこなしながら過ごしていたため、少しは強くなれたと思う。 『調子はどうだ?』 『ぼちぼちかなぁ……』 『ぼちぼちねぇ……』 『うん、入学前よりは強くなってると思う…けど……』 『けど?』 『Bランクの依頼だけじゃちょっと……』 『確かにそうかもな』 『うん……他になにか考えないと……』 『そうだな』 「ジーナ!そろそろ帰るって!」 急に、ラミアちゃんが声を掛けて来たので、一度クロウとの会話を止める。 「あ、うん!」 今回の依頼は、そこまで難しいものでは無かった。場所がウィッツロックだっただけに、気合いを入れたて来たのだが……。 「物足りないわね…」 「最近メキメキ強くなってるからじゃない?」 「それを言うならラミアだって同じでしょ?」 「まぁ……うん」 ラミアちゃんについて行きながら、待たせてある馬車に戻る。 「!」 急に、変な気配を感じ、すぐ様魔力感知を行った。 「!!」 「ジーナ?どうしたの?」 「ラミア……まずいわよ?」 「まずい?」 「うん!ウィッツロックに魔物の群れが集まってる」 「えっ!?ほんと?!」 「うん!間違えない!」 「セシル先生に……」 「うん!知らせてきて!」 「ジーナはどうするの?」 「実家近いから、お父様とお母様に……いや、とりあえず…ラミアはセシル先生に伝えて!ギルドに行ってもらって応援を!」 「わかった!」 ラミアちゃんは、体を宙に浮かせて飛んでいく。 『ジーナ!どうする?』 『強い反応の方へ行くわ!』 『南側か?』 『うん!』 言うが早いか、私は空駆けして南へ向かう。南側といえば、ラウルフット高原がある。 「間に合え!」 必死に空駆けした。 「気配はある……けど……」 背の高い草が生えていて、姿を捉えられない。敵からしたら、身を隠すにはちょうど良い。 『なにか来る!』 クロウの声と共に、草むらから何かが飛び出して来た。 「ゴブリン!!」 飛び出して来たゴブリンが、私めがけて突進してきた。 「ちっ!」 突進を躱しながら、腹に一撃お見舞いする。 「グゲェ!」 クリティカルヒット!ゴブリンは、地面に顔から落ちる。 「ギャギャギャ!」 それと同時に、一斉にゴブリン達が現れる。ざっと五十。 「一体どこから?」 『ジーナ!近くに転送陣の気配!』 「え?」 ゴブリンを警戒しながら魔力感知を使うと、今いる場所からそう遠くない場所から、転送陣の気配がした。 『壊さないと次から次に……』 心の中でいい終わる前に、ゴブリン達が突っ込んで来た。 《炎の矢~フレイム・アロー~》 知った魔法が、背の高い草ごとゴブリンを燃やす。 「ギャーーーー!!」 ゴブリン達は、のたうち回りながら絶命していく。 「姉さん!!」 「何とか間に合ったわね!」 後ろを振り返ると、姉さんが杖をゴブリン達に向けたまま微笑んでいた。 後ろには、ラミアちゃんの姿もあり、ちゃんとセシル先生に伝えれたのだろうと安堵した。 「ラミアちゃんから聞いて飛んできたわ!!」 「助かったわ!」 「えぇ!」 姉さんとラミアちゃんに、転送陣の事を話した。 「わかったわ!ここは任せて!」 「うん!ジーナは転送陣を!」 「了解!」 私は、ゴブリンを蹴散らしながら、転送陣があるだろう場所へいく。 「あった!」 一段と高い草に隠すように描かれている。 『この転送陣……』 『あぁ…あの森にあった痕跡に似てる』 『という事は……』 『あぁ…ゼロンだな』 『……』 私は、複雑な思いで転送陣を壊した。
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