襲撃

2/7
前へ
/42ページ
次へ
『多分ここだけじゃないわね』 呟いて、魔力感知の感知能力を広げて、他の転送陣を探す。 『分かりにくいけど…西と東に一つずつ』 『あぁ』 私はまた空駆けを使い、ラミアちゃんと姉さんの所へ戻る。 「姉さん!」 「ジーナ!壊せた?」 「うん!ゴブリンは?」 「片付けたわ!」 先程まで居たゴブリン達は、跡形もなく消えていた。 そうこうしていると、セシル先生の魔力が、ずごい速さでこちらに近いていた。 「先生が来たら話したいことが……」 と言い終わる前に、セシル先生が到着した。 「先生!早かったですね?」 「えぇ!あの時の森にあった痕跡をヒントにして…近道したの!」 「ちょうど良かったです!西と東に、転送陣が一つずつあります」 「うん……」 「私と姉さんで西へ!先生とラミアで東をお願いします!」 「まぁ、わかったわ!」 先生は、ラミアちゃんを抱えて空駆けして東へ向かった。 「姉さん!行こう!」 「えぇ!」 姉さんをかかえ、空駆けして西を目指す。 「ジーナ?焦ってる?」 「別に…」 とは言ったものの、先程から嫌な胸騒ぎを覚え、かなり焦っている。 胸騒ぎは、西に行けば行くほど強くなっている気がする。 まもなく、西側のガルガナ平原へ到着する…ガルガナ平原は、先程のラウルフットよりも見晴らしが良いので、戦いやすいと言える。 「オークの群れ……」 降り立つと、オーク達が群れていた。 「多いわね…」 「うん……」 転送陣の気配は、オークの群れの真ん中辺りにある。 姉さんは、すぐ様補助魔法をフルで掛け、杖を構えた。 「フッ!」 息を吐き、オークの群れに突っ込む。 「月光炎乱脚(えんらんきゃく)!」 急な攻撃に、オーク達は慌てふためく。 《氷の棘~アイス・スパイク~》 姉さんの魔法が、オーク達を巻き込んでゆく。 「竜王雷迅脚(らいじんきゃく)!」 魔気を纏った蹴りで、オーク達を翻弄しながらなぎ倒す。 「もう少し!!」 姉さんは、私に近づかないようにオーク達を倒し、私は真ん中を目指しながらなぎ倒す。 ようやく辿り着き、転送陣を壊して残りのオーク達を一掃した時、胸騒ぎの正体がわかった! 「ッ!姉さん!戻るよ!」 「え?何処へ?」 「良いからッ!」 姉さんを無理矢理抱え、全力でラウルフットへ空駆けした。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加