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『多分ここだけじゃないわね』
呟いて、魔力感知の感知能力を広げて、他の転送陣を探す。
『分かりにくいけど…西と東に一つずつ』
『あぁ』
私はまた空駆けを使い、ラミアちゃんと姉さんの所へ戻る。
「姉さん!」
「ジーナ!壊せた?」
「うん!ゴブリンは?」
「片付けたわ!」
先程まで居たゴブリン達は、跡形もなく消えていた。
そうこうしていると、セシル先生の魔力が、ずごい速さでこちらに近いていた。
「先生が来たら話したいことが……」
と言い終わる前に、セシル先生が到着した。
「先生!早かったですね?」
「えぇ!あの時の森にあった痕跡をヒントにして…近道したの!」
「ちょうど良かったです!西と東に、転送陣が一つずつあります」
「うん……」
「私と姉さんで西へ!先生とラミアで東をお願いします!」
「まぁ、わかったわ!」
先生は、ラミアちゃんを抱えて空駆けして東へ向かった。
「姉さん!行こう!」
「えぇ!」
姉さんをかかえ、空駆けして西を目指す。
「ジーナ?焦ってる?」
「別に…」
とは言ったものの、先程から嫌な胸騒ぎを覚え、かなり焦っている。
胸騒ぎは、西に行けば行くほど強くなっている気がする。
まもなく、西側のガルガナ平原へ到着する…ガルガナ平原は、先程のラウルフットよりも見晴らしが良いので、戦いやすいと言える。
「オークの群れ……」
降り立つと、オーク達が群れていた。
「多いわね…」
「うん……」
転送陣の気配は、オークの群れの真ん中辺りにある。
姉さんは、すぐ様補助魔法をフルで掛け、杖を構えた。
「フッ!」
息を吐き、オークの群れに突っ込む。
「月光炎乱脚!」
急な攻撃に、オーク達は慌てふためく。
《氷の棘~アイス・スパイク~》
姉さんの魔法が、オーク達を巻き込んでゆく。
「竜王雷迅脚!」
魔気を纏った蹴りで、オーク達を翻弄しながらなぎ倒す。
「もう少し!!」
姉さんは、私に近づかないようにオーク達を倒し、私は真ん中を目指しながらなぎ倒す。
ようやく辿り着き、転送陣を壊して残りのオーク達を一掃した時、胸騒ぎの正体がわかった!
「ッ!姉さん!戻るよ!」
「え?何処へ?」
「良いからッ!」
姉さんを無理矢理抱え、全力でラウルフットへ空駆けした。
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