襲撃

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「ジーナ!無理は禁物だよ!?」 「はい!お父様!!」 後ろで姉さんが、私とお父様に補助魔法をかける。 それが終わると、お父様と二人でダークドラゴンに突っ込んだ。 「竜王断月波!」 「覇王竜断撃!」 同時に打ち込んだ技が、合わさり強力な技となる……。 《覇王竜月断撃波(はおうりゅうげつだんげきは)!》 強力な技でダークドラゴンが仰け反ったが、ダメージが入ったかどうかは怪しい。 「流石天災級……仰け反りしかしないとは……」 「はい……」 かなり近い場所に、知った気配と魔力が集まっている……メルシーさんやお母様の魔力すらかんじる。 『こんなに集まって来るとは思わなかった』 『あぁ』 『最悪の場合、貴方に力を借りようと思ったけど…』 『今のお前じゃ、彼奴に勝つのは無理だ』 『貴方の力があればかてるの?』 『今のお前に力を貸せば……多分な』 クロウに力を借りれば、そりゃ勝てるかもしれない……けど、こんなに人が集まってるなら……。 「ジーナ!手伝うわ!」 後ろから、ラミアちゃんのこえがする。 「わかった!お願い!」 「うん!」 返事した彼女は、そのまま呪文を唱え出す。《古の大地に眠しま力よ我が声に答えよ(Sleep in the old earth, power, answer my voice.)》 「精霊魔道士?だけどこの呪文……」 横に立っていたお父様がつぶやく。ラミアちゃんが唱えてる呪文が、いつもと少し違う気がする。 私とお父様は、ラミアちゃんが狙われないように、二人がかりでダークドラゴンを翻弄する。 《声に答えし魔力を使い(Answer the voice, use magic,)》 《古の大地の強大な力とし…(As the powerful power of the ancient earth...)》 《天地を震わす力となれ!(To be the power to shake heaven and earth!)》 私とお父様は、そのまま後ろへ下がる。そして、ラミアちゃんに目で合図する。 《古の力…その眼に焼き付けよ!(The power of the old ... burn it into its eyes!)》 膨大な魔力が、ラミアちゃんの両腕に集まる。ラミアちゃんがその両腕を天に掲げると、神々しい程の魔力が、巨大な剣へと変わる。 《古の聖剣!(Ancient holy sword!)》 掲げた両腕を、そのまま一気に振り下ろす!それに合わせて、巨大な剣が一気に振り下ろされた。 「ギャァァァァァァア!!」 断末魔のような叫び声を上げ、ダークドラゴンはのたうち回り始める。 「間違いない…あの呪文、が使っていた呪文を掛け合わせている!」 「古の……?」 どこかで聞いた覚えがある……文献だったのか、クロウの前世の記憶だったのか……。 「ハァッ……ハァッ!!」 精神力をかなり使ったラミアちゃんは片膝を付き、両腕はそのままで肩で息をする。 「ラミアにばっかり頼ってられない!」 そう言った矢先、ダークドラゴンの目の色が変わる。 「グルァッ!」 一気に魔力を体に纏い、禍々しさが倍増する。 「逆鱗……」 「ジーナ!下がりなさい」 「でも……」 「良いから!」 「は……はい!」
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