古の魔女

1/3
前へ
/46ページ
次へ

古の魔女

お父様が出て行った後すぐ、ラミアちゃんが目を覚まし、急に抱きついて来た…驚きと体の痛みで気を失うかと思った。 「無事で…良かった…」 「看病してくれてありがとう…」 私は、彼女の頭を撫でながらお礼を言った。 「ねぇラミア」 「ん?」 「古の魔女って、一体何者なの?」 「…」 急な質問に、彼女は少し黙った。 「話したくないなら、無理に言わなくて良いからさ…」 「古の魔女は、私の直系の先祖なの…」 「直系!?」 「うん…マナの意志を感じ取り、声を聞くことが出来た魔法使い…それが、古の魔女…」 「マナの意志??」 「うん…精霊の意志って言った方が伝わると思うけど…」 「精霊…」 「うん…現に私も精霊の意志を感じ、声を聞くことが出来るの…まだ未熟だけど」 「古の魔女が使っていた魔法は、古代語を使ったものなの?」 「うん、私はそれを精霊魔法と掛け合わせて使ってるの」 だからだろう…聞き慣れない発音や、詠唱の旋律だと思ったのは…。 「あの、ダークドラゴンに使った魔法は、古の魔女の得意だった魔法を、精霊魔法と掛け合わせたもの…魔力の消費がかなり激しいんだけど…」 「なるほどね…」 「後、古の魔女の一族には名称があってね…」 「名称?」 「うん…サンス・ソール…通称」 「ソル族ぅ!?」 「聞いた事あるでしょ?」 「あるも何も!昔お父様やお母様が寝かしつける時に話してくれてたよ?」 まさか彼女の口から、ソル族の名が出てくるとは思わなかった。 「実在した一族なのよ…」 「まぢかぁ…」 私は頭を抱えた。 「じゃあ、ルーン・ナージャ…ルナ族も居るって事?」 「会ったことは無いけど…多分ね」 「ひえぇ…」 おとぎ話に出てくる一族が、まさか実在したとは昔の私は夢にも思わないだろう。 「それより…ジーナが目を覚ましてくれて良かった!もう大丈夫ね」 「うん…まぁ着替えとか以外は一人でも大丈夫かな?」 「なら、私は近くの宿に戻るわ!」 「うん…あ!姉さんは?」 「マリアさんなら多分アカデミーに戻ってるんじゃないかな?」 「薄情だなぁ…」 「ふふ…マリアさんには、ジーナは大丈夫だって思ったんじゃない?」 「だと良いけど…」
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加