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古の魔女
お父様が出て行った後すぐ、ラミアちゃんが目を覚まし、急に抱きついて来た…驚きと体の痛みで気を失うかと思った。
「無事で…良かった…」
「看病してくれてありがとう…」
私は、彼女の頭を撫でながらお礼を言った。
「ねぇラミア」
「ん?」
「古の魔女って、一体何者なの?」
「…」
急な質問に、彼女は少し黙った。
「話したくないなら、無理に言わなくて良いからさ…」
「古の魔女は、私の直系の先祖なの…」
「直系!?」
「うん…マナの意志を感じ取り、声を聞くことが出来た魔法使い…それが、古の魔女…」
「マナの意志??」
「うん…精霊の意志って言った方が伝わると思うけど…」
「精霊…」
「うん…現に私も精霊の意志を感じ、声を聞くことが出来るの…まだ未熟だけど」
「古の魔女が使っていた魔法は、古代語を使ったものなの?」
「うん、私はそれを精霊魔法と掛け合わせて使ってるの」
だからだろう…聞き慣れない発音や、詠唱の旋律だと思ったのは…。
「あの、ダークドラゴンに使った魔法は、古の魔女の得意だった魔法を、精霊魔法と掛け合わせたもの…魔力の消費がかなり激しいんだけど…」
「なるほどね…」
「後、古の魔女の一族には名称があってね…」
「名称?」
「うん…サンス・ソール…通称ソル族」
「ソル族ぅ!?」
「聞いた事あるでしょ?」
「あるも何も!昔お父様やお母様が寝かしつける時に話してくれてたおとぎ話よ?」
まさか彼女の口から、ソル族の名が出てくるとは思わなかった。
「実在した一族なのよ…」
「まぢかぁ…」
私は頭を抱えた。
「じゃあ、ルーン・ナージャ…ルナ族も居るって事?」
「会ったことは無いけど…多分ね」
「ひえぇ…」
おとぎ話に出てくる一族が、まさか実在したとは昔の私は夢にも思わないだろう。
「それより…ジーナが目を覚ましてくれて良かった!もう大丈夫ね」
「うん…まぁ着替えとか以外は一人でも大丈夫かな?」
「なら、私は近くの宿に戻るわ!」
「うん…あ!姉さんは?」
「マリアさんなら多分アカデミーに戻ってるんじゃないかな?」
「薄情だなぁ…」
「ふふ…マリアさんには、ジーナは大丈夫だって思ったんじゃない?」
「だと良いけど…」
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