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「ジーナ…貴女また一段と強くなりました?」
「多分…」
実感は沸かないが、姉さんがそう聞いてくると言うことは、そう言う事だろう。
「ラミアも、大分魔力が上がったんじゃない?」
「うん…アカデミーに入学した頃よりは……」
「もぅ!二人共謙遜しちゃって!二人共、私の魔力量を越えてますわよ?」
別に謙遜している訳では無い…私は、感知が得意なだけで、相手の魔力量をはかるのが苦手なのである。
感知して、魔力が大きいか小さいかの判断位しか出来ない。
「コンコン」
急に、応接間の扉がノックされた。
「はい!」
「失礼します」
「どうぞ!」
声の主は、ラーグだ。姉が声を発してから、少しの間の後扉が開く。
「どうだった?」
ラーグを見ずに、姉さんは言う。
「王への謁見のアポは取れました…昼過ぎには謁見できるそうです」
「うん…ありがとう!」
「いえ…では私はこれで…」
「ラーグ!」
「は、はい!なんでしょう?」
「邪悪な魔力を感じる…警戒を怠らないで!」
「邪悪……?」
「良いから!わかった?」
「は……はい!承知しました!」
「うん!」
「では失礼しました!」
ラーグは、姉さんの強めの口調にたじろぎながら、部屋から出て行った。
「姉さん…邪悪な魔力って?」
「気になるわよね?」
「もちろん!」
「よね……ここ数ヶ月前から王宮周辺で、邪悪な魔力を感じるようになったの……」
「王宮周辺……?でも!」
「うん、王宮周辺には強力な結界が貼ってある……だけど感じるの…」
「うーん……」
強力な結界には、邪悪な魔力が入らないようになっている。それでも感じたと言うなら、一度調べた方がいいのかもしれない。
「調べてみたら?」
「そうですわね…」
「謁見の後にでもラミアと一緒に行ってみるよ」
「ほんと!?助かるわ!」
「ラミア、良い?」
「あ、うん!私は全然大丈夫よ?」
なんだか嫌な予感しかしない…こう言うのは、調べた方が良いのだ……うん!調べよう。
「時間までまだありますわね…昼食を取りながら、アカデミーでの話、聞かせて欲しいわ!」
「わかった!」
こうして再開した姉さん、私、ラミアで昼食を摂ることになった。
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