少女魔王

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 毒の沼の中心に、城は建っていた。  彫刻の(ほどこ)された柱と、  黒い化け物の絵が飾られている。  ーー祭壇には、上位魔族が横たわっていた。 「【白き夢】、肉はうまいな。 骨の近くほどうまい肉はねえ。 ああ、腹一杯の幸せよ」 「【雷豹(らいひょう)】、あなたは 本当に餌に魅了されたのですね。 いいです、私はこの分だけを もらいます」  【雷豹(らいひょう)】は、  黄髪(きぱつ)の髪に、  ヒョウ柄のコートを羽織っている。  【白き夢】は、足首まで延びる白い髪に、  白いローブを身に纏っていた。 「【凍てつく瞳】、やけに早い 食事の終え方だなあ? どこかでつまみ食いでも しやがったか?」 「【悪魔の赤】、餌の食べ方が 汚いのは貴様の流儀か? 見ていて醜い」  【悪魔の赤】は、赤い髪を隠すように、  赤いフードを目深に被っている。  【凍てつく瞳】は、水色の長い髪を束ねて、  水色のケープを手で直していた。 「【凍てつく瞳】は、そりゃあキレイに 喰うもんなあ? こんな祭壇、汚してナンボだろ?」 「【雷豹(らいひょう)】、いいから口を閉じろ。 貴様の口から血が飛び散って、 私のケープも汚した。 意地汚い貴様らしいとは思うが」  【雷豹(らいひょう)】は笑って  血塗れの手の平を見せた。 「手でかぶりつくのが 一番うまい食べ方さ。 お前らは俺の喰い残しでも 食べりゃいい。 そうすれば万事OKだろ?」  
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