少女魔王

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 【悪魔の赤】の赤いフードつき  コートが翻る。  【白き夢】も食事をやめると、  丁寧に手拭いで手と口を拭う。 「なあ、【白き夢】、 魔界と人間界へのゲートは、 【凍てつく瞳】と俺が管理している。 最近、下位魔族どもは、 喰ったっきり 帰って来ねえ奴らが増えたなあ? 中位魔族たちに喰われるのが、 相当恐ろしいとお前も思うか?」 「そうですね、 下位魔族の悪知恵ともいえますが、 このままでは中位魔族たちは 下位魔族を餌と出来ず、 餓死し、高位魔族たちにも その影響は出てます。 厄介(やっかい)な問題ですね、 【悪魔の赤】」  【凍てつく瞳】は冷たい目線を、  祭壇にいた上位魔族に送っている。  【白き夢】は少し溜め息を吐いて  祭壇から離れた。 「高位魔族たちに非はなくとも、 中位魔族たちも動けばいいことだ。 人間界にいる下位魔族たちを 喰らいにいくがいい。 ゲートの管理者として 私はそれを赦す。 それでいいだろう。 何か不満があるのならいえばいい」 「うまい飯はどの階級にいてもうまい飯さ。 そうだろ?【凍てつく瞳】」  【雷豹(らいひょう)】は  骨まで餌を喰うと、  満足したように笑った。  【悪魔の赤】は血と混じった  フードを目深に被って、 「あいつがいねえな」と呟いた。 「何か策士は思いついたようだが、 俺からも動く番だ。 【少女魔王】を叩き起こして 何とかさせてみるか。 あーあ。餌のない生活は、 どんなにいいことか、 【少女魔王】に教えてもらうかな」 「能無しには無理だと思うが? 【悪魔の赤】、私はゲートを開けて来る。 中位魔族たちを一定数送って 肥えてもらおう。 餌のやり取りは何とも面倒だな。 【少女魔王】は 餌を必要としない(ゆえ)に、 飢餓への心配もなく、 全く、不公平だ」  【凍てつく瞳】は祭壇の間から  扉の外へと消えていく。 「俺は【少女魔王】の元へいくぜ? 後のことは任せた。 【雷豹(らいひょう)】、【白き夢】。 まあ、あんまり期待しても しょうがないとは俺も思うが、 トップには目を醒まして欲しいからな」
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