少女魔王

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◆◆◆   ホシュア町は港町として栄えていて、旅人も多い。  宿屋で雑魚寝(ざこね)をしていたカイとダンは、  暑くて目が覚めた。  カイは少し伸びをすると、ダンの肩に手を掛けた。 「魔族はどこにいるか聞き込みをしよう。ダン、いいな?」 「カイは元気だね。僕は眠いや。 魔族退治もいいけど、少しゆっくりしたいよ」  カイはグリーンの髪を短髪にしていて、  灰色の服の上から、  ブラックの胸当てとショルダーアーマーを装着する。  ダンはブルーの髪を肩まで伸ばしていて、  汚れた白い紋様入りのローブを身につけている。  カイとダンはまだあどけなさの残る少年である。 「ダン、枕の代わりにした服を纏めたら、 もうここは出ていく。いいな?」 「カイはせっかちだね。僕はこのまま出るとして、 着替えは一組(ひとくみ)しかないの、いいのかな」  宿屋の二階を降りると、そこは酒場となっている。  宿屋の親父が、カイとダンに「いい話がある」と呼び寄せた。 「おチビちゃん、神殿に何か変な娘が現れたと話題さ。 いって見て来るのが好奇心の旺盛(おうせい)な旅人だろ?」 「チビは余計だな。俺らは魔族退治に忙しい身だ。いかないよ」  ダンはカイの後ろで話を聞いている。 「旅人のおチビちゃん、 神殿は今突然現れた娘の扱いをどうするか、 賢者様が決めている。いいからいって来な。 俺にはおチビちゃんくらいの娘が出没(しゅつぼつ)したと聞いて、 ピンと来た。おチビちゃんたちの番だとな」 「見て来よう、カイ」  ダンは眼を輝かせている。 「ダンは敬虔(けいけん)な天神の教徒だもんな。 仕方ない、いくか」  カイとダンは、神殿に向かうことにした。
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