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私は大学に通いながら漫画を描き始めた。ヨースケには内緒で。そして・・・。
*
「よかったね。国立大学に入れて」
「彼とも復縁しました。田中さん。ありがとうございます! 田中さんのアドバイスのおかげです!」
「今日は何しに来たの?」
田中さんは私が抱えている大きなトートバッグを見ながらわざと私に訊いた。
「約束の漫画の続きを描いてきました!」
私はトートバッグから、分厚く重なった原稿用紙を取り出し、田中さんに差し出した。
「本当に単行本一冊分くらい描いたんだね」
田中さんは私から原稿用紙を受け取ると、すらすらと読んでいった。読み終えて、田中さんが言った。
「これも君が経験したこと?」
「はい。まんまです」
「彼氏は君のために別れたんだね。彼は頭のいい子が好きだった。でも亜美君の成績は落ちたままでいた。その一因を自分のせいだと感じて、それで別れようと思ったんだね」
「はい。私のことを嫌いになったわけじゃなかったんです」
「なんか漫画みたいだね。うん。でも、いいね」
渾身の力を込めて描いた私の作品が、有名漫画雑誌に掲載されることになった。
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