亜美の物語り

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         -22- 「ヨースケ、ごめん。私、ヨースケに言わなきゃいけないことがあるの」 「どうしたの?」  初夏の大学のキャンパスの中庭のベンチに私たち二人は並んで座っていた。 「これ・・・」  私は、漫画雑誌をカバンから取り出した。そして私の作品が載ったページをめくって渡した。 「え?」 「読んでみて」  ヨースケは私の作品を読んでいった。静かに、時には頷きながら。たまに私の顔を見ながら、ヨースケは私の作品を読んでいった。 「これ、オレたちのことだよね。クリスが描いたの?」 「うん。勝手に描いてごめんなさい・・・」  ヨースケは笑った。 「クリスにはこんな才能があったんだ」 「ヨースケがいなければ描けなかった」 「クリスはプロの漫画家になるの?」 「まだ自覚はないわ。漫画家になろうと思ったことはあるけど、まだ次回作も考えていない」 「じゃあさ。この続きを描いてよ」 「え?」 「オレたちの希望の未来をね」 「うん!」  私はヨースケに寄り添った。         『亜美の物語り』                     完
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