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お誘い
テスト期間があり、ゲームの時間は学校から帰って夕飯までと決められた。素材は集めたいけど赤点は取りたくないから、夜は真面目に勉強をした。
真田くんとは昼休みに一緒にゲームをしたけれど、文哉と片桐くんは学校が違うからずいぶんと一緒に遊んでいない気がする。
試験最終日の放課後に真田くんから一緒に帰ろうと誘われた。方向が違うから、一緒に帰るのは初めて。駅の近くにあるカフェに寄ろうと言われた。
注文をして、テストが終わって嬉しいね、と話していると、真田くんが僕の前にスマホを置く。見ろってことなのかな? 視線を下げると、コラボカフェの予約画面だった。明後日の日曜日。
「この日暇だったら一緒に行かないか?」
コラボカフェ最終日だ。行きたいと思っていても最初に4人で行ってから行けていない。ものすごく行きたいけど、真田くんは行きたいって思ってなかったよね?
「また行きたくなったの?」
「あ、ああ。2回目はいいかな、って思ったりもしたけど、ゲームやってるうちにまた行きたいなって思うようになった」
真田くんが始めたての頃より、もっとゲームを好きになったってことだよね。
誘われて嬉しいけど、最終日なんて貴重な日を僕が一緒に行っていいのかな? 仲良しの片桐くんじゃなくて。
「片桐くんと一緒に行かなくていいの?」
「穂高? ……あー、なんかあいつの学校は来週が試験とか言ってた気がする」
「そっか、それじゃあ誘いにくいよね。僕、一緒に行きたい」
「ありがとう。それじゃあ連絡先の登録してもいいか?」
真田くんはグループ通話の履歴から僕のアカウントを表示した。何度も話しているから連絡先は交換してると思っていたけど、交換していなかったようだ。いつも文哉と片桐くんがいたから、グループ通話をするのも困らなかったから気付かなかった。
「うん、よろしくね」
友達の欄に真田くんの名前が追加される。
「時間と待ち合わせ場所どうする?」
「30分前に前回コラボカフェに行った時に待ち合わせした場所はどうかな?」
「そうしよう。着いたら連絡するから」
「うん、僕も」
楽しみだねと笑うと、真田くんが頷いてくれた。
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