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2回目のコラボカフェ
待ち合わせ場所には10分前に着く。僕の方が早いと思っていたけど、真田くんはすでに待っていた。遠くからでも手足の長さがよく分かる。行き交う人たちが視線を送っているからとにかく目立っていた。
カッコいいもんね。目で追っちゃう気持ちは分かるな。真田くんは周りの視線を気にした様子もなくスマホを弄っている。
『着いた』
そうメッセージが届く。僕が着く直前に真田くんは着いたのかな。
『僕も着いたよ』
送信するとすぐに真田くんが顔を上げる。僕と視線が合うと片手を上げた。
「待たせてごめんね」
「いや、今来たところだから」
「まだお店に行くのは早いよね」
前回、真田くんは待ち合わせ時間ぴったりに来たから、今日もそうかと思って30分前の待ち合わせにしたのに。カフェに入ってまったりするほどの時間はない。辺りを見渡すと、ゲームセンターが目についた。
少し時間を潰すにはちょうどいい。
「まだ予約の時間には早いから、ゲームセンターに行かない?」
「そうだな、行こうか」
入るとUFOキャッチャーが出迎えてくれるが、取るのに時間が掛かるから今は遊べない。
「あっ、僕ね、コレ得意だよ」
ドームの中をお菓子が回っていて、すくって取るゲームセンターでは定番のゲーム。得意と言っても元は取れないけど、1個も取れなかったことはない。
100円を入れてゲーム開始。タイミングを見計らってボタンを押してすくう。それがスタート位置に戻ってくると、勝手に台の上にすくったお菓子を落とす。あとは台に押し出されて獲得口に入るのを待つだけ。落ちてきたお菓子はチューイングキャンディが4つ。真田くんと2つずつ分けた。封を開けて口に放り込む。
「真田くんはゲームセンターだと何する?」
「メダルだな。でも、メダルは時間がないし、俺も祐樹と同じのやってみる。小さい頃にやったことはあるけど、久しぶりにやるわ」
真田くんが真剣にお菓子を取ろうとするの、なんか可愛いな。
……可愛い? こんなにかっこいいのに? 自分の感情に首を捻っていると、真田くんがゲームを終えた。取れたのはラムネが1つ。
「祐樹にやるよ」
「いいよ、真田くんが取ったんだから真田くんが食べて」
封を破り、ラムネを掴むと僕の口に付けた。
「口開けて」
僕の口が付いたから返すこともできない。おとなしく口を開く。そのまま押し込まれた。
まだ口の中にはチューイングキャンディが残っている。2つが混ざってよく分からない味になった。
「そろそろ行こうか?」
「そうだね」
のんびり歩いてコラボカフェへ向かう。
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