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10分以上早く着いたけど案内された。完全予約制だから、最終日でも店内は人でごった返すということはない。また写真もいっぱい撮れそうだ。
席に着いてメニューを開く。もう来れないとなると目移りしてしまう。
「どれで迷ってるんだ?」
「えっと、グラタンとカレー」
「じゃあその2つにしないか? 山田くんとシェアしてたみたいに、俺とも少し交換しよ」
「うん、ありがとう。でも、真田くんはこの2つでいいの?」
「ああ、俺はカレーにしようと思ってたから」
無理して合わせてくれたのかと思ったけど、注文したいものが被っていてよかった。ドリンクはゲーム内で一度も飲んだことのない防御力アップの青いドリンクにした。ドロップ率アップと攻撃力アップしかゲーム内では飲んだことがない。
注文を終えると席を立って撮影スポットに移動する。
「一緒に撮ろうか?」
「うん、ありがとう」
スマホを真田くんに渡して、前回撮れなかったイベントエリアの案内人の隣に並ぶ。腰まである銀の髪が特徴のクールなイケメンキャラだ。
「あのさ、俺も写っていい?」
「え? いいけど、真田くんはキャラとツーショットじゃなくていいの?」
前回も写真を撮る時に僕も写っちゃってるし。
「一緒に来たから一緒に撮りたいだろ」
……そっか。一緒に行った人との記念写真を撮るのもいいね。
「あの、もしかして、前回も2人で写るの誘ってくれてたの?」
「気付いた? スマホ渡された時は驚いた。だから俺のスマホでは一緒に写ってもらったけど」
「ごめんね、今日もスマホを真田くんに渡しちゃったし」
「気にしなくていいよ。ちょっと待ってて、写真撮ってくれるか頼んでくる」
近くにいたカップルに声をかけて真田くんが2人の写真を撮ると、僕のスマホを渡して今度は真田くんと僕が撮ってもらう。返されたスマホに写っていたのは、真田くんとキャラクターのイケメン2人に挟まれている僕。両隣がキラキラしすぎていて眩しい。
「その写真送ってよ。俺も前回撮った看板娘とコック長の写真送ろうか?」
「うん、ありがとう。写真今から送るね」
写真を送り合っていると料理が運ばれた。
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