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どうだ、これで許さなくてはいけなくなっただろう。
「わかった。しかし、若いからと言って暴走はするなよ。フランツ辺境伯は実戦経験も豊富だ。参謀にも、優秀なチャーチル少将を任命する。ふたりの意見をしっかり聞いて、対処するように……」
よし、司令官に任命されればこっちのものだ。
あとは、どうにでもなる。
「かしこまりました、陛下」
私たちが魔獣の対策を練るために、不眠不休の仕事が続いていたわ。
毎朝、届けられるヴォルフスブルクからの連絡は、事態の悪化をひしひしと伝わってきた。
<魔獣による被害が拡大>
<ヴォルフスブルク帝国軍がついに魔獣と激突!>
<魔獣3匹を倒すが、甚大な被害……なおも、原因特定できず……>
<帝国軍参謀本部が、新たなる出兵を決定!>
<魔獣、依然増加傾向>
<帝国軍、戒厳令を発令>
<魔獣の総数、数十体を超える? 専門家が予測>
<このまま魔獣の増加が抑え込められなければ、犠牲者は1万人を超える可能性も>
<限界に近づく魔獣包囲網>
<参謀本部、軍の一部を転進させることを決定>
ヴォルフスブルクの新聞もどんどん緊迫感を増していたわ。
何度か魔獣との戦闘があったようだけど、帝国軍が苦戦しているようね。大陸最強の陸軍を持つヴォルフスブルクですら苦戦しているという事実が、私たちの気持ちを重くする。
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