闇夜に蠢いて

「ハァァ」
　溜め息ひとつ。今日も月五回ある日のうちの一日がやって来る。本当に憂鬱になる。足取りが重い。帰りたい帰りたい。私は恨む……。私は超がつくほど敏感に反応する。見たくないのに見えるし、聞きたくないのに聞こえるし……懐かれたくないのに懐かれるし……！？　えっ！？　たまに呑気に寝てる彼氏見たらぶん殴りたくなるし……隣でゲームしてる彼の応援をしてる女に嫉妬もしないし……実はそんなこと今から始まることに比べれば……。
「ハァァ……」
　もうひとつ深い溜め息をもうひとつ。
　職場に着いた……。足取りがさらに重い……。更衣室に入り着替える……。真っ白な制服に包まれて……そう私は白衣の天使……なんです。今日は夜勤なんです……病院の……。
「なんで、私は看護師の道を選んだのぉぉぉぉ！！！」