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なんの策略に嵌まったか知らないが、夜勤なんて当たり前にあるのに……。
「あら、今日も元気ないのね? 夜勤になるといつも死にそうな顔して……いつもは元気なのに……」
先輩、れい子が声を掛ける。
「分かってますよねぇぇ……いつも患者さん以外の相手をしないといけないんですよぉ! そりゃ……」
「だってあなたしか相手に出来ないんだから」
「いや、相手しなくてもいいんですけどぉぉぉぉ」
「でも、あなたが相手してくれるから、かまってくれるし、みんな楽しんでる……あなたのおかげよ」
はははと笑う私。
「私で楽しむなっっっ……ですよ!!」
──そのおかげとやらを海に放り投げたいっっ ──
「でも、最近叫ばないのね。昔はいつも叫んでたのに……」
「慣れたんです、あいつのお陰で……ただ見回りはやっぱり怖いです……」
「あいつって例の?」
「そうです……うちの居候兼姑代理です」
クスっと笑うれい子さん。
「見回り代わってあげたいんだけどね」
「代わってくださいよぉぉぉぉ」
「無理なの分かってるでしょ!?」
「もう……でも、ついて来てくださいよぉ……」
「仕方ないわね……本当にいつになったら一人で回れるのよ」
と、こんな調子でれい子さんはいつもついて来てくれる。れい子さんと最初にあった時は怖かった。冷たい目をして厳しくて。だけど、最近は頑張りを認めてもらえて優しくて、今じゃ一番の私の理解者。
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