エピローグ

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 サリーは私を見て、そっと微笑む。 「あらためて考えてみてくれないかしら。私のところに来ることを」  先日、慶子さんから『まだサリーがあなたをアシスタントにと思っている』という話を聞いた際、私の心はまた少し揺れた。  だが、今回、諸々の出来事を経て、あらためて思ったのだ。  私は、ホームズさんと一緒にいることで大きな肯定感を得られる。  そして彼がサポートしてくれている安心感で、自分の持つ以上のパワーを出せる。  何より、大きな理由はとてもシンプルだ。彼が好きだから、彼の側にいたい、離れたくないと思っている。  このことは『光岡さん騒動』で痛感したのだけど、『真実の絆があれば離れていても平気』、『彼は絶対に心変わりしない』などと思えるほど、私は自信家ではなかった。  私は既に、そんな自分の素直な気持ちを、慶子さんにメールで伝えていた。  サリーには伝わっていなかったのだろうか、と慶子さんに視線を送る。すると、彼女は弁解するように言った。
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