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掌編 幼馴染みとの語らい
かつて、ここ化野は、風葬の地だった。
空海が野ざらしになっていた遺骸を埋葬し、供養したことから始まったという。
『化野』は、仏教の言葉で『儚い、空しい』という意味がある。
この世に再び生まれてくることや、極楽浄土に往来する願いなどを意図しているそうだ。
そんな化野を西行法師は、こう詠んだ。
――誰とても とまるべきかは あだし野の 草の葉ごとに すがる白露
そして、『徒然草』には、こう記されている。
――あだし野の露消ゆるときなく、鳥部山の煙立ち去らでのみ、住み果つるならひならば、いかにもののあはれもなからん。世は定めなきこそいみじけれ。
この二つは、それぞれ別の者が作ったというのに、まるでつながっているように思える。
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