melody-6

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 ―――――――  お世話になっております。添付資料で数点確認させていただきたい事があります。竹下さんのご都合でかまいませんので一度お時間作っていただけませんか。  ―――――――  なんだと。  今日は吉岡さんもいないしまず無理だ。日程調整して改めて連絡をすると送信。返信はすぐにきた。  ――――――――  竹下さんのみで問題ありません、いつご都合つきますか。  これから外出(そとで)になりますので、連絡はこちらにお願いします。  090-****-****  ―――――――― (しかもメルアドとかでなく電話だよ!これもしや個人携帯じゃなかろうか。しかも私からかけるの?ハードル高っけぇぇ)  胃までも痛くなってきた、泣きそうで吐きそうで禿げそうで死にそうだ。もういっそ死にたい。  業務関係だ、已む負えない、そう必死に言い訳しつつ、自分からはとてもじゃないが電話をかける勇気がなかったので仕方なく社用メールで私の電話番号を記載して送っておいた。 『もしもし、竹下皐月(さつき)さんの携帯で間違いないですか』 「……はい」 『今電話大丈夫ですか?』 「……はい」  電話口の向こうもざわざわした音がするから相手も外にいるのが分かる。電話はまさかの定時後18時半、帰宅している最中にかかってくるとは。 『皐月?』  いきなり名前で呼ぶのはやめてほしい。胸が一瞬で飛び跳ねた。電話越しで耳に響く鷲見先輩の声、はるか昔にときめいた時間が舞い戻るみたいで今度こそ本当に泣きそうになった。 「……業務関係なら竹下でお願いします」 『まだ会社?』 「いえ。もう、帰宅途中ですが……」 『じゃあ仕事じゃないね。皐月』  だから。名前で呼ぶなっつーの!なんか、言えるわけがない。 『○○駅の△△って店、地図送る。待ってる』  先輩はそれだけ言って私の意見なんかなにも聞かずに電話を切ってしまった。
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