Chapter.2 楽しい時間

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「はあっ……!はあっ……!はや、かった……」 「…………すまない」  ようやくグドーに追いついたと思えば、彼も何か考えていたようで、待ってくれていた。……1階の隅っこだったけど。 「い、いいよ…………」  チラ、と近くにある窓を見る。大きな窓から見えるのは、お昼とは言い難い角度になった太陽。ここに来たのはまだ午前だったのに、もうこんなに時間が経ってたんだ……。  オレが気をそらしていると、金色の髪が視界に入ってきた。 「なぁ、バルディ。せっかく持ってきたんだし、着てみろよ」  あんなに走ったのに余裕の様子のシャレットは、ニヤニヤしながら彼の手にある青っぽい軍服を示す。走る時も持っててくれたんだ。オレは頷き、羽織ってみることにした。  ダボダボしている。どうやったらシャレットみたいに着こなせるんだろうか……。そういえばカリビアの服は違うものだったような?やっぱり階級とかあるのかな。  それより。 「………………重い」  こんなに重いのを着て戦ってるのか、こいつらは!?首元の襟がデカすぎる。オレの耳を完全に塞いで、このまま周りの声が聞こえなかったらどうするつもりなんだ。 「アハハハハ!!!襟は折るんだよ!オレは折らねーけど!」  シャレットが指を差して爆笑する。シャレットを見本にしたのに、この人だけ変な着方だったとは!!後で覚えてろよ……! 「シャレット、バルディがかわいそうだよ。ごめんね、バルディ。とっても似合ってるよ!」 「いや……大丈夫……。ありがとう」  オレは襟を折りながらミゲルに返事をした。 「同じ水色同士、仲良くなろうってか?」 「そ、そんなんじゃないよ!」 「はは、わかってるわかってる!」  シャレット……。本当にわかっているのだろうか……。
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