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「はあっ……!はあっ……!はや、かった……」
「…………すまない」
ようやくグドーに追いついたと思えば、彼も何か考えていたようで、待ってくれていた。……1階の隅っこだったけど。
「い、いいよ…………」
チラ、と近くにある窓を見る。大きな窓から見えるのは、お昼とは言い難い角度になった太陽。ここに来たのはまだ午前だったのに、もうこんなに時間が経ってたんだ……。
オレが気をそらしていると、金色の髪が視界に入ってきた。
「なぁ、バルディ。せっかく持ってきたんだし、着てみろよ」
あんなに走ったのに余裕の様子のシャレットは、ニヤニヤしながら彼の手にある青っぽい軍服を示す。走る時も持っててくれたんだ。オレは頷き、羽織ってみることにした。
ダボダボしている。どうやったらシャレットみたいに着こなせるんだろうか……。そういえばカリビアの服は違うものだったような?やっぱり階級とかあるのかな。
それより。
「………………重い」
こんなに重いのを着て戦ってるのか、こいつらは!?首元の襟がデカすぎる。オレの耳を完全に塞いで、このまま周りの声が聞こえなかったらどうするつもりなんだ。
「アハハハハ!!!襟は折るんだよ!オレは折らねーけど!」
シャレットが指を差して爆笑する。シャレットを見本にしたのに、この人だけ変な着方だったとは!!後で覚えてろよ……!
「シャレット、バルディがかわいそうだよ。ごめんね、バルディ。とっても似合ってるよ!」
「いや……大丈夫……。ありがとう」
オレは襟を折りながらミゲルに返事をした。
「同じ水色同士、仲良くなろうってか?」
「そ、そんなんじゃないよ!」
「はは、わかってるわかってる!」
シャレット……。本当にわかっているのだろうか……。
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