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オレは言われた通り、本棚の端にある受付に向かった。どんなのかはわからないけど、そんな雰囲気の場所があったので絶対にそうだ。
「地図、地図……。あった!これか……」
あったのはいいけど…………。なんだこれ。魔法の文字……。浮いてる。どうやるんだ?これ。
「???」
「あ、お前も場所がわからないのか?」
覗き込んでいると、苦笑いでシャレットが歩いてきた。確かにこの人、図書館なんてあまり行きそうにないし……。
「アスターに聞いたんだ。この地図はどうかって」
「その地図な、ビックリするだろ。これはこう使うんだ」
シャレットは地図に向かって、指で四角の図と魔法の文字を重ねるジェスチャーをした。
──ぽわ…………。
どういうことだ?魔法の文字が動いて……数字と、オレにもわかる文字が出てきた!?
「おお!」
「すごいだろ!外部の人が触れないように、独自の文字で作られているんだってさ。だからバルディもわかんなかったんだよな」
「どうしてシャレットは知ってるの?」
オレの疑問にシャレットは目を丸くしたあと、照れくさそうに笑った。
「あー……はは。軍に入ってすぐに説明があってさ。それで覚えさせられたんだよ。おかげで当時は徹夜で大変だったんだからな……。ふあ、思い出すだけであくびが出る……」
「そ、そうなんだ」
「…………オレの故郷はこんなことしなかったんだけどな」
「ん?何か言った?」
「いんや。じゃ、頑張って探せよ〜」
シャレットはさっき自分で探した場所へと歩いていった。
「ま、待って!?文字わかんないんだってば!!」
「横にカンペ置いてあるー」
シャレットは歩きながら手をヒラヒラとさせた。
「え?……ほんとだ……」
地図の横に紙が刺さっている。どうやら何かから破いたもののようだ。もしかして……教科書から破ってカンニングペーパーとして扱ってる?
──魔王軍って……思ったより適当なのかも……。
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