6人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
──────────
─────
「あ、戻ってきましたよ」
「お前らが本を読むなんて珍しいこともあるんだな」
「へっへ〜ん♪だろぉ〜?」
グドーたちに連れてこられた部屋──食堂では、すっかり目が覚めたカリビアと、その隣にシャレットがいた。
本当に図書館に行っていたのか、しかも“あの”メンバーも引き連れて、とカリビアは感心していた。
ご飯の時間までお世話になるわけにはいかない。元々敵なんだし、魔王軍側も敵に塩を送るわけにもいかないだろう。
「じゃ、じゃあ、オレは外で待ってるから────」
「はい、ダメ〜」
部屋を出ようとしたオレの腕をガッチリとホールドしてきたのはシャレットだった。いつの間に隣に!?
「オレはまだ軍に入ってないし、敵だから……どこかで待ってるよ……」
「それでもちゃんと食べないとダメだ!騙せてると思っただろ?ドラゴンソウルの魔力だけで立ててるような感じじゃねぇか」
「!」
シャレットが透き通る水色の目で見つめてくる。
お見通しだったんだ……。ずっと木の実しか食べてこなかったこと……。
「すぐに追い出さなかったのはそのためでもある。一人で本を探させたら、そのまま帰るかもしれなかったからな。たとえ魔王軍に迷惑をかけていた相手でも、見捨てることは許さない。これは魔王のポリシーでもある」
カリビアも腕を組んで頷いた。こちらは見てくれないけど、本気でオレを引き留めようとしているようだった。
「………………」
それでも……やっぱり、迷惑をかけるわけには……。
「まったく、世話がかかるガキだ!ほら、座れ座れ!」
「うわっ!?」
まごまごしていたらシャレットに背中を押され、ついに椅子に座ってしまった。
立とうとしても、シャレットに肩を押さえられてしまう。笑っているが、その笑顔が怖い……!
最初のコメントを投稿しよう!