Chapter.2 楽しい時間

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「………………あっ!」  カリビアのマネをして2本の棒を持つ。……が、初めてなのでポロポロと皿の上に落としてしまう。 「ぁ……あぁ……」 「スプーン持ってくる」  シャレットは止める間もなく立ち上がって行ってしまった。これ以上迷惑はかけられないのに……。 「はい、どうぞ」 「ありがとう」  シャレットからスプーンを受け取った。ミゲルも同じものを持っている……。そうやって使うのか。  しばらくミゲルを見て、自分でもやってみる。  持ち方は、こう。  食べ方は、こう。  …………できた! 「おっ!上手い上手い!」 「すごいよ!ねぇ、どう?美味しい?」  シャレットとミゲルが褒めてくれた。  ちょっと嬉しい。 「うん。この白いのって……なんて言うの?」  完全には丸と言い切れない、この変な食べ物。しばらく噛んでいると、少しだけ甘い。 「それは『米』だ。大昔から人間界に存在していたものらしい。どこかの死神が持ち込んだんだろう」  カリビアが『米』の説明をする。  確かに死神なら説明がつく。人間界と魔界を行き来できるのは死神くらいしかいないからだ。 「俺のはそれに別のものを混ぜたものだけどな」  グドーの手元を見る。へぇ、その茶色いのが……。 「食べ終わったらミーティングがある。バルディはゆっくり食べててくれ」 「う、うん」 「げ、またミーティングっすかぁ?やることないからなー。暇だし」  シャレットが本気で嫌そうな声を出す。今後のことなのだろうし、聞いておかないといけないのに……。もしかして寝てたりするのだろうか。 「最近幽霊の出現が多くてな。戦力を分散させなければ、そろそろヤバくなっていてだな……」  幽霊かぁ……。悪魔より強いから近付くなと聞いていたから近寄らなかったけど、カリビアたちはそんな幽霊たちと戦っているんだよな……。そのための軍……だもんな……。  オレはただ、厄介だから倒されてたんだ…………よね?  ──オレはまだ、死んでないもん。
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