第1話

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第1話

 女なんか居なくなれ。そう思う。男が好きなわけではない。性的に。男は好きだ。女は嫌いだ。  女は肉体的成熟が早いから、それに伴い社会性の習熟も早い。僕には息子も娘も居たから、それはそう思う。だからいつでも女は訳知り風だった。  初めての女は一つ年上だった。高校を中退して運送会社で準社員として働いてた時に、そこの先輩が狙ってる女を誘う口実として王子様ルックな僕を強引に河原のバーベキューに誘った。僕は弁えていた。けれど。  その翌日から猛チャージを食らった。仕事中と言うのに呼び止められ、くだらない事を喋った。彼女が何を求めているかはすぐにわかった。メガネデブヤンキーのクレスタより、ジャニーズ系の僕の自転車やスクーターに乗りたかったのだ。僕に、乗りたかったんだ。  彼女は僕んちに押しかけて、6時間喋った。いかに僕がバイト先の女どもに噂されてるか。その彼女に、わたしがなるのか。  彼女は可愛くて、乳がデカかった。トランジスタグラマーというか。そして短い同棲生活の中、カップラーメン食った後の煙草のうまさ、目玉焼きにマヨネーズとかを、僕に押し付けた。   僕の誕生日の少し前、万年床に入ろう。そう言われた。蒸し暑いのに。たちまちふたり、衣服を脱ぎ捨て、チュウくらいしか知らない僕の右手を股間に誘う。濡れていた。これで間違えた。濡れていたら、良いんだ。そう認知してしまった。ほんとは違うみたい事は、それから30年以上過ぎてから知ったんだ。
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