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「アオイ、まだ時間はあるのか?」
「はい。もう仕事は終わりましたし明日は休みです」
「そうか、ならば今晩は女子会をしよう。せっかく千々姫もいるのだから」
「わあ! いいのですか?」
「咲耶姫、じょしかいとは何です?」
「女子会とは女同士でおしゃべりをしながらお菓子を食べる楽しいものなのだ」
「まあ素敵」
「咲耶姫様、今日はクリスマス女子会ですね!」
「よくわからないけど、とても楽しそうです」
「そうだろう、楽しいのだ女子会は」
私たちは咲耶姫様に続いて本殿へお邪魔する。奥の襖を開けると懐かしいこたつが設置されていた。
「ポインセチア飾りましょう。この赤色がクリスマスっぽいんですよ」
「では私のリースとツリーも飾りましょうか」
「お菓子はこれでいいか?」
ウキウキと準備を始める神様たちは本当に可愛らしい神様だ。
「こんなことならコンビニでチキンとケーキを買ってくるべきでした」
「そうか、ならば火の神に頼んで買ってきてもらおう」
「あっ、火の神様もお元気ですか?」
咲耶姫様はほんのり頬を染めてにこりと微笑んだ。
「結婚することになったのだ」
「ええっ」
「だから私は今日織物を持って来たのですよ」
「織物?」
千々姫様は何もない手のひらからしゅるりと艶やかな布を顕現させた。白く細い糸で織られた布には金色の糸で細かな刺繍が施されている。
「婚礼衣装ってことですか?」
「そういうことだ」
「うわぁ、素敵です! おめでとうございます! プロポーズはどちらからですか? いろいろ聞きたいです」
「まあ、アオイは大胆なのですね」
「千々姫、それが女子会なのだ」
「ええ~ではアオイの恋話もお聞かせください」
「私は残念ながらお一人様なので、千々姫様のことも教えて下さい」
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