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「ひとりで平気?」
「たぶん」
私は手伝うつもりで四季さんのそばにいたけど、四季さんはゆっくりと台座となっているブロックを持ち上げた。
思っていた通り中に空洞があって、そこには小さな箱がある。
「莉亜さん、取ってもらっていい?」
「は、はい」
私が素早く小箱を回収すると、四季さんはそっと台座を地面に戻した。
それから台座を押して元の位置に戻す。
「これは当たりでしょう」
「びっくり箱かもよ!」
「空箱かもな」
私のもとにカナンたちを含めた全員が集まる。
本当に宝探しをしているみたいな雰囲気だけど、箱は軽いから少しだけ心配になる。
「おぉー」
「やっぱりこうなるよな」
箱の中身は懐中時計で、呉本くんが額に手を当てて悔しがっていた。
勝つことよりも盛り上げることを優先してくれたんだろうか。
「あとはかなちゃんのダルマさんね。一応もうひとつも確認しておく?」
「そうですね。ここにはもう戻って来ないでしょうし」
もう片方の台座も同じように四季さんが持ち上げる。
なんと、こっちにも箱があった。私はびっくりして動けなかったから、静子さんが箱を回収した。
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