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「さっきと同じ箱ね。なんだかすごく軽いわ」
静子さんは少しもためらわずに箱を開けた。
中には小さな紙きれが一枚。
「はずれ、だって」
「いやー、倉じいの読みはすごいね。ほんとにふたつとも調べるんだ」
「先にこっちを開けてくれたらおもしろかったんだけどな」
どうやら私たちがふたつとも確認することは織り込み済みだったらしい。
まんまとやられて悔しいというより、芸が細かくてすごいという気持ちになった。
「これでここにもう用はないわね。次に行きましょう」
切り替えが早い静子さんにうながされて、私は急いで物干しざおをもとの状態に戻した。
このとき呉本くんがさりげなく手伝ってくれて、もう演技は終わったんだと確信した。
「次は中庭ね」
「その前に、一応洗濯機の中とかも確認しておこう」
ここも男女別になっているから、男性用は四季さんに、女性用は静子さんに見てもらうことになった。
その間に私はカナンに話しかけて、何かヒントを聞きだそうと試みる。
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