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「ダルマはどこにあるの?」
「いくら莉亜でも、それは教えられないよー」
「ヒントくらいちょうだいよ」
「んー、そうだなぁ」
「教えるのか。別にいいけど」
一歩下がった位置にいる呉本くんがツッコミを入れたけど、カナンは割と本気で考えているようだった。
カナンには直球勝負をしかけたほうが効果的だね。
「なんて言えばいいのかな、変なところにはないよ」
「変なところって、例えば?」
「呉っちの時計みたいに。あれがあんなに簡単に見つかるとは思わなかった」
「まぁ、ここにあるって言ってるようなもんだったからな」
あの場にふたりがいなかったら、きっと物干しざおはスルーしただろう。
陸くんの鉛筆も倉じいのボールも割とすぐに見つかったけど、これはカナンのダルマは絶対に見つからないっていう自信の裏返しなのかな。
「こっちにはなさそう」
「こっちもよ」
戻ってきたふたりに、私はカナンからの情報を伝えた。
静子さんが「ほんとかしら」とつぶやいたけれど、私はなんの疑いもなくカナンの言葉を信じてた。
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