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「時間はあとどれくらいある?」
「えっと、七分くらいですね」
「まだ見てないのは、中庭と駐車場、それからリビング横の物置ね」
それら全部をくまなく探したら、ちょうど制限時間になるだろうか。
私は少しずつ焦りを覚える。
「これまでの傾向を考えると、駐車場とか裏庭にはないんじゃないかな」
「そうね。誰も気にしてないもの」
「倉じいと陸くんがいるかもしれないですよ?」
「やっと戻ってきたか」
話しながら回廊に出ると、五号室の前に倉じいと陸くんが立っていた。
どうやら少し前からここで待機していたようで、これで裏庭に行く必要はなくなったのかも。
「どんな感じ?」
「時計は見つかっちゃった」
「え、マジ? はずれの箱は?」
「あっさりばれた」
泥棒チームは一緒に行動してたんだね。
これまでの隠し場所は全部倉じいの指示によるものなのかな。
「倉じいのボールも見つけたよ」
「あれは簡単だっただろう。五号室に置いておいたサインボールも僕のだから、そっちは預かっておくぞ」
ものすごく自然に全員が合流した形だけど、まだゲームは終わってないんだよね。
残り時間は泥棒チームみんなで見届けるつもりなのだろうか。
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