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「裏庭はもういいわよね? 向こうの物置はどうするの?」
「ないと思うけど、僕が見てくるから、ふたりはこのあたりの捜索をお願い」
こう言って、四季さんは小走りでリビングのほうへと向かって行った。
あっちの物置はここからでも一応見えるけれど、誰も注目していないように思える。
「莉亜ちゃんはお庭を見てもらっていいかしら」
「は、はい。静子さんはどうするんです?」
「念のため、各扉をチェックするわ。部屋の中にはなくても、ドアノブの後ろとかにくっついてるかもしれないでしょう」
セロテープを使えばそれも可能なのか。
真剣な表情で六号室のほうへと向かった静子さんを見届けて、私は中庭に降りる。
「さぁ、残り時間はあと数分。警察チームは見事、隠されたお宝をすべて見つけることができるのでしょうか」
「また何か始まったぞ」
「盛り上げてくれるのはいいが、うっかり口を滑らせるなよ」
「俺も余計なこと言わないようにしないと」
カナンの実況を受けつつ、私は足元を中心に見て回ることにした。
さっきのカナンのヒントを信じるのなら、何にも隠されずに見えるようになっているはず。
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