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勿忘草やリナリアのお花はもうないけれど、私は無意識にそれらが植えられていた場所を最初に探していた。
今は一部を空けて、倉じいが好きだというニチニチソウの花が植わっている。
「莉亜さん」
すると、少し遠くから四季さんの声がした。
みんながいるけど静かだから、私は声を張ることなく返事をする。
「こっちってまだ見てない?」
「そうですね。水道付近も見てないです」
私は五号室側から時計回りに見ているから、四季さんにはリビング側から時計回りに見てもらうことにした。
ちょうど間に水道があって、その近くには土とか肥料とかを置いておくちょっとしたスペースがあるけれど、そこはあとで考えよう。
「縁の下にはないわよねぇ」
今度は静子さんが声をかけてきた。
どうやら扉周辺にはなかった模様。
「考えもしなかったです。でも、貼り付けることはできますね」
「かなちゃんがそんな罰当たりなことはしないと思うけど、一応見てみようかしらね」
縁の下には人が入れるだけのスペースはあるけれど、ここはどうだろう。
あるとしたらダルマさんがさかさまになってるわけだし、静子さんの言う通り罰当たり感がすごい。
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