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「莉亜、石の上だよ」
「石の上?」
「小さな黒いものがあるだろ」
「黒……?」
確かに、大きな石の上に小さくて黒い石みたいなものがある。
形はダルマさんっぽいけど、真っ黒だよ。
「え、これ? あっ!」
半信半疑でその黒い石を手に取ってみると、手触りがちょっと変だということに気づいた。
この感触、そういうことだったんだ。
「見つかったみたいだな」
「そこにあるって言われてもわからないって、どういうことかしら?」
私は悔しい気持ちとあっぱれという気持ちを半々くらいに抱えて、真っ黒にされたダルマをみんなのもとへ運んだ。
これじゃわからないよ。
「こんな姿になってました」
「あら? 確か赤かったはずよね?」
「まさか、このために黒く塗りつぶしたの?」
カナンならやりかねないような気もするけれど、実際はそうじゃない。
私から種明かしをするのも癪だから、とりあえず四季さんにも持ってもらうことにする。
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